日本酒やお米に含まれる美肌成分と美容効果

日本酒やお米に含まれる美肌成分と美容効果

日本酒化粧品には美白効果のあるものやアンチエイジングに良いものなど、美容効果の高い成分が豊富に含まれています。

飲むだけでも肌にいいといわれる日本酒ですが、化粧品にしたときにどのような成分に美容効果があるのか、日本酒を作る過程でできる成分の美肌効果などを具体的にご紹介していきましょう。

お酒にまつわる材料の美肌効果

米 発酵

日本酒は、玄米を削って精米し、蒸してから麹菌と水、酵母を加えて「酒母(しゅぼ)」を作ります。麹によって米のでんぷんが糖化、その糖分が酵母によって発酵すると「もろみ」が出来上がります。

酒粕の美肌効果

酒粕は日本酒を作る際に出る固形物で、もろみを絞った液体が日本酒、その残りが酒粕です。
コウジ酸、フェルラ酸、アルブチン、αGG、遊離リノール酸など美白とアンチエイジングに役立つ成分が豊富にたっぷりなので「粕」だなんていって捨ててしまったらもったいない!

これらの成分はもちろん日本酒にも含まれています。
ひとつひとつについては後半でご紹介しますね。

酒粕にはビタミン、アミノ酸も豊富に含まれています。

<ビタミンB2>
酒粕に含まれるビタミンB2は、皮膚や粘膜を保護する働きがあります。
ビタミンB2が不足していると肌がかさつきがちに。
髪もぱさつきがちになるので、肌や髪の潤いを取り戻すためには必須の栄養素です。

<アミノ酸>
角質層の水分を保持するために必要な天然保湿因子(NMF)の主成分であるアミノ酸が豊富です。
肌も髪もたんぱく質で出来ていますから、その元になるアミノ酸が不足するとかさつきがちになります。
肌や髪の水分量を維持するためにとても大切な働きをします。

米ぬかの美肌効果

日本酒を造る時にはお米を使います。
このお米を削り(お酒を造る工程では「磨く」といいます)、お酒に適した部分だけを取り出して使うのですが、お酒のグレードが高いほど、つまり純米酒よりも大吟醸の方がこの精米割合は増えていきます。
大吟醸にいたっては半分もお米が削られてしまうので、その分ぬかがたくさん出るということですね。

<米ぬかは4種類>
この精米の過程で出るものが米ぬかです。
米ぬかには精米の段階によって赤糠、中糠、白糠、特白糠の4種類に分類されます

赤糠は茶色っぽいぬかで、ぬか漬けなどに使われますね。
化粧品として使われるのは白い糠の方です。

<セラミドで水分保持>
米ぬかは江戸時代から洗顔に使われてきました。
余分な角質を落としながらも適度な米ぬかの油分が肌に潤いを残してくれるのです。

そして最大の特徴はセラミド。
細胞間脂質の一つであり、肌の水分を逃さないようにする働きがあります。

塩麹の美肌効果

お肉を柔らかくしたり素材の旨味を引き出すとして調味料としても人気のある塩麹ですが、日本酒を作る時に不可欠な麹に塩を加えて発酵させたものが塩麹です。

麹とはそもそも蒸した米に麹菌を加えて繁殖させたもの。
日本酒だけでなく、味噌やみりんなどにも使われています。

麹にはコウジ酸など美白に役立つ成分の他、ビタミンB群が豊富です。ビタミンB1、B2、B6、葉酸、パントテン酸、ビオチン、ナイアシンなどがあり、肌や髪を健やかに保ちます。

日本酒に含まれる成分の美肌効果

日本酒の美肌成分

日本酒、その搾りかすである酒粕には美容に良い成分がたっぷり。その効果をご紹介しましょう。

αGGの美肌効果

αGGはアルファ・グルコシルグリセロールとい、日本酒の旨味成分です。
肌に塗ると抜群の保湿力を発揮!

その理由は、肌の水分保持には欠かせないヒアルロン酸と膚の弾力を保つコラーゲンの生成を促すからだといわれています。

潤いと弾力のある肌を保つために役立つ成分です。

フェルラ酸の美肌効果

フェルラ酸はポリフェノールの一種で、強力な抗酸化作用が期待できる成分です。
細胞を酸化させ、老化させてしまう活性酸素を除去する働きがあり、シミやシワなどを予防します。

コウジ酸の美肌効果

コウジ酸には大きく2つの美肌効果が期待できます。
ひとつはメラニンの生成を抑えること。
メラニンを生成するチロシナーゼという酵素の働きを弱めることによって、過剰にメラニンが作られるのを防ぐため、シミの予防に役立ちます。

もう一つは糖化の予防。
糖化とは、体内であまった糖分がたんぱく質と結びつく現象のことで、老化の原因ともいわれています。

糖化によって出来る物質が褐色であるため、肌が黄色っぽくくすむ「黄ぐすみ」の原因とされていますが、コウジ酸はこの糖化を抑制する働きがあり、肌の黄ぐすみを防ぎます。

メラニン抑制と黄ぐすみ防止によるダブルの美白効果が期待できます。

アルブチンの美肌効果

日本酒及び酒粕には天然の美白成分アルブチンが含まれています。
1989年、厚生労働省から美白成分としても承認されており、美白化粧品などにもよく使われていますね。

ハイドロキノンにブドウ糖が結合しているため、別名「ハイドロキノン糖誘導体」とも呼ばれています。

ハイドロキノンも美白成分として有名ですが、アルブチンの方が安全性が高く、刺激も穏やかなのです。

<シミ予防とにきび跡にも>
アルブチンはコケモモ、梨などにも含まれていて、メラニン生成に関わるチロシナーゼの働きを抑えることで、メラニンが過剰に作られることを防ぐ成分です。
アルブチンの美白効果でシミ、そばかすを予防するとともに、出来てしまったシミも薄くすることが出来ます。

色素沈着を改善する働きもあるので、シミだけでなくにきび跡を薄くする効果も期待できます。

遊離リノール酸の美肌効果

最近では豆味噌にも含まれているとして注目を浴びている遊離リノール酸ですが、この成分の元は必須脂肪酸であるリノール酸です。
発酵の過程で遊離リノール酸に形を変え、コウジ酸やアルブチンなどと同じように、メラニン合成に関わるチロシナーゼという酵素の働きを弱めることによってメラニンの生成を阻害します。

遊離リノール酸は日本酒にも酒粕にも含まれているので、どちらを使っても美白効果が期待できます。

お米の美肌成分

米

おいしいお米とお水でおいしいお酒が出来ます。
お米もお酒も、おいしいだけでなく美肌を作る成分がたっぷり!もう味わっているだけではもったいないですよ。

お米と日本酒の美容効果を知って美肌作りに役立てて下さい。

日本人は昔から米ぬかで顔を洗うなど、科学的な分析などなかった時代からその美肌効果を知っていました。

お米は日本人の主食としてその栄養価の高さは誰もが知っていますが、実は美肌にも様々な効果を発揮してくれる食材だったのです。

お米のビタミンE

ビタミンEはアンチエイジングの基本!
若々しい肌を保つためには必要不可欠なビタミンです。

ビタミンEには強力な高酸化作用があり、体内の活性酸素を除去するのでシミやシワなどの老化から体を守ります。

米ぬかのフェルラ酸

米ぬかにはフェルラ酸という美白成分が入っているので、メラニン色素の生成を抑えるとともに、その抗酸化作用で体内の活性酸素を除去して細胞の老化を防ぎます。
シミやシワの予防に役立ちます。

また、紫外線を吸収する働きもあるので、軽いサンスクリーン効果も期待できる成分です。

米ぬか洗顔

米ぬかとは精米をした時に出るお米の表皮と胚芽の部分です。
玄米のまま食べればそのまま摂れる栄養価の高い部分なのですが、白いお米にするためにすべて削り取ってしまっているんですね。

お米の栄養の大部分が含まれるという米ぬかはとても美肌効果が高く、アミノ酸やビタミンB、ミネラルなどを豊富に含んでいます。

特にアミノ酸は肌の保湿には欠かせない成分。
角質層の天然保湿因子(NMF)の主成分です。
潤いのある肌を作るためにはアミノ酸をたっぷり補給してあげることが大事なんです。

この米ぬかを使って洗顔をすると、軽いスクラブ効果もあってつるつる、すべすべのお肌に!
米ぬかを少し手に取って、お湯を加えて練り合わせたら、顔に優しく伸ばしてマッサージします。

もしくはいつもの洗顔フォームに米ぬかを少し混ぜて使うのもOK。

米ぬか入浴剤

米ぬかをガーゼの袋などに入れてお湯の中でもみだします。
米ぬかのエキスがたっぷり出て、全身しっとり。もちろん、このお湯で顔も髪も洗えます。

米のとぎ汁

米のとぎ汁も捨ててしまってはもったいない!
お米の栄養がたっぷり含まれています。
皮膚の保護、肌荒れの予防にも役立つビタミンB、肌の保湿の欠かせないセラミドによってお肌をしっとりさせてくれるのです。

顔を洗う時に水ではなく米のとぎ汁を使います。
米ぬかも若干溶け出しているので、軽いピーリング効果も期待できるのです。
古い角質が落ちることによってシミが薄くなることも期待できますし、くすみの予防にもなりますね。

顔を洗う以外にも、そのままお風呂に入れてしまってもOKです。
全身がしっとりします。

ただし注意が一つ!米のとぎ汁は保存できませんので、新鮮なうちに使い切りましょう。

日本酒化粧品に含まれる美肌&保湿成分とは?

日本酒化粧品

日本酒は飲んでも塗っても肌に良いとされ、そのままお酒を化粧水代わりに使う人もいますが、ここで注目したいのは各酒蔵メーカーがこぞって発売している日本酒化粧品。
その中には、清酒以上の美肌成分がたっぷり含まれているのです。

酒粕エキス

酒粕から取り出したエキスのことで、保湿効果と美肌効果に優れています。
酒粕にはアルブチンやコウジ酸、フェルラ酸などの美白成分がたっぷり含まれています。

1.美白効果
アルブチン、コウジ酸、メラニン色素の元となるチロシナーゼという酵素の働きを抑えて、シミを予防する働きがあります。出来てしまったシミを薄くする効果も期待できるので、にきび跡が気になる方にもおすすめです。

2.アンチエイジング効果
コウジ酸には細胞の糖化を予防することによって肌の「黄ぐすみ」を防ぐ働きがありますし、フェルラ酸には抗酸化作用によって肌の老化を予防し、シミやシワを防ぐ働きが期待できます。

3.保湿効果
たっぷりのアミノ酸が角質層の水分を閉じ込めて潤いを保ちます。
乾燥肌の方は肌がもちもちに。
しっとりすべすべの美肌を目指すなら、酒粕エキスがたっぷり配合されたものを使いましょう。

酒粕エキスを使った化粧品には、
酒粕美人「酒粕&ヨーグルトの洗いながすフェイスパック」
などがあります。

酒粕発酵エキス

酒粕を発酵させて作られるエキスのことです。
植物性乳酸菌や酵母などを加えて、ただでさえ肌に良い酒粕をさらに発酵させているので、遊離アミノ酸の量が清酒に比べて10~20倍も高くなります。

つまり、酒粕の美肌成分の効果がさらい増幅されているということで、保湿効果が違う!肌のキメが整い、しっとり感が持続します。

また、保湿効果だけでなく、元々の酒粕がもつ美白効果ももちろん期待できます。

酒粕発酵エキスを使っている化粧品には、
蔵元美人 こめゲル
上膳如水「モイスチャーシリーズ」「クリアスキンシリーズ」

コメ発酵液

米をアルコール発酵させて作られるエキスのこと。
お酒のアルコール分だと思えばいいですね。ビタミンB1、B2、アミノ酸などが豊富に含まれているので、保湿効果の高い成分です。角質層の水分保持機能に優れていて、潤いのある、キメの細かい肌を作ります。

米発酵液を使用した化粧品には、
米ぬか美人シリーズ
菊正宗 日本酒の化粧水
などがあります。

日本酒以上の効果

日本酒だけでも十分効果が高いのですが、お米や酒粕を発酵させることでさらに美肌効果が増すんですね。

天然の成分で肌にもやさしく、肌荒れを防いでくれますよ。
シミ一つない、潤いのある素肌を目指すならこれからは日本酒化粧品でしょう。

日本酒の成分と日本酒を作る過程で出来るものが持つ美肌作用は、日本人が古くから利用してきた美の知恵です。
そしてこれらの成分は肌にとても優しく、刺激が少ないのに、美白もアンチエイジングも同時に出来るすぐれもの。

化学薬品たっぷりの刺激物だらけの化粧品よりも、肌にやさしく効果も高い日本酒化粧品を使ってみませんか。

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